あらすじ
ある日のこと、いつものようにケビンが絵を描こうとすると、クレヨンの箱の上に、「ケビンへ」と書かれた手紙の束がおかれていました。
ケビンは不思議に思いながら、手紙に目を通し始めます。
するとどうやら、これらはクレヨンからの手紙のようです。
クレヨンからの手紙……果たして、なんて書いてあるのでしょう?
クレヨンたちの抗議の手紙をうけとって
この色は女の子の色。
あの色は男の子の色。
昔は、わりと暗黙の了解のうちに、決まっていたような気がする。
たとえば、昔はランドセルの色は二色しかなかった。赤と黒である。
だが最近は、ランドセルの色にもバリエーションができてきて、水色やディープグリーンなどといった変わった色のものも珍しくない。黒のランドセルを好んで使う女の子もいる。
女の子はピンクや赤が好きとは限らない。水色なども人気である。
本書はクレヨンたちの持ち主への訴えを、手紙という形で描いているというおもしろい一冊である。
しかも、手紙はみんな手書き風になっていて、細かいところまでデザインされた遊び心も感じられる良作だ。
クレヨンたち自身も個性があって、いろんな性格をしているところに面白味を感じる。
クレヨンたちは、「使う頻度を少なくして休ませてくれ」だとか「桃色って女の子の色じゃない」だとか、様々なことを持ち主のケビンに訴える。
……「女の子の色じゃない」というピンクの主張を読んで、前述したことをつらつらと考えたまでである。
自分もまた、幼少期、「女の子らしい色」があまり好きじゃなかったクチである。黒いランドセル、かっこいいじゃないか。
しかしまあ、この本、内容がおもしろい。
クレヨンにもクレヨンの悩みや不満があるんだなあと感心する。確かに色鉛筆を開けると、減り方にかなりの差があって、自分などは黄土色という色がほぼ使われないままになっていた。これを使うと、誰かが「うんこ色使ってるー」とはやし立てたからである。今にして思えば、全くよけいなお世話だ。
本書を読むと楽しい気分になった上に、これからはクレヨン(色鉛筆?)を大切に、まんべんなく使おうと思うはずである。
そしてもちろん、クレヨンの持ち主であるケビン君も──
お絵かきが好きな子にはおもしろい内容
お絵かきする子や、色塗りが好きな子にはおもしろい内容になっているでしょう。クレヨンや色鉛筆を大切に扱う心が芽生えるかもしれません。
小学校低学年向け。
読み聞かせもできますが、内容がやや長いので、お絵かき、色塗りに興味のない子は飽きてしまいそう。