絵本の森

『いかりのギョーザ』──ギョーザは火力が一番大事

あらすじ

ある日、ぶたのブブコさんは、道ばたにフライパンを見つけました。
ブブコさんはそれを持って帰り、このフライパンを使って、ギョーザを焼くことにしました。

いざフライパンを火にかけようとすると、フライパンがしゃべり出しました。
なんと、自分で火を出せるというのです。
かくして、フライパンは自分の力で火を出し、ギョーザはおいしくできあがりました。

話をよく聞けば、フライパンの火は、使っている人の怒りをもとにしているとのこと。
ブブコさんもまた、ブウタと喧嘩をして怒りを持っていたのでした。

そうして、怒りの力で焼いたギョーザがおいしいということが広まり……。

 

ギョーザが食べたーい!!

タイトルに惹かれて手に取ったことは認める。

だって、ギョーザである。
絵本でギョーザ。あまり見ない組み合わせだし、……なによりギョーザが食べたかった。
そして、「怒り」がさらにくっつくのだから、いったい、どんな話なのかしらんとなるのが人情ではないか。

 

こぶたのブブコさんは、ある日、木の根元におかれていたフライパンを見つけた。
そして、こう思うのである。

「これで ギョーザを やきましょう」

唐突すぎる。
いきなりのギョーザ。
自分なら外に置かれているフライパンを拾ってきて、料理に使おうとは思わないが、ブブコさんはノリノリでギョーザを作り始める。

 

いざ火つけて焼くぞ、という段になったとき、フライパンが言う。

「ちょっと まて。あわてんといてや。
いま、いかりの火を おこすさかい」

フライパンがしゃべった!!!!
しかも自動発火でコンロいらず!
なんで関西弁なんや!

 

怒りの力で炎を起こしたフライパンで、ブブコさんはギョーザを焼きあげた。これがまたおいしいギョーザだった。
フライパンが言うには、怒りを抱えた人が持てば炎が出る、とのこと。
怒りの炎とは、ブブコさんの怒りがパワーになって燃えていたのだ。
ブブコさんは、友達のブウタと喧嘩していて、怒っていたのだった。

 

さて、おいしいギョーザ。
これが本当においしいらしく、森のみんなが怒りの炎でギョーザを焼いては食べる、というのがはやる。
中華料理は火力が一番大事というしね……。

怒っている人を見つけては、怒りの炎でギョーザを焼く……

しかし、それもずっと続けていると、ついには怒っている人がいなくなってしまった。
それでも食べたいギョーザ。おいしいギョーザ。

ブブコさんはブウタくんと喧嘩しようとしたが、「いかりのギョーザをたべたいね」としか言えず、喧嘩ができない。
たぬきのポンタはギョーザが食べたいあまり、お兄ちゃんと喧嘩しようとしましたが、お兄ちゃんの顔がギョーザに見えてついにこにこ……

 

……怒りのギョーザ、なんかヤバいものでも入ってるのか……。

 

そのとき、酷使され続けたフライパンが怒りだした!
おっ、フライパンが怒ってる!! 今だ! 今しかない!

早速ギョーザを焼きまくるブブコさん。集まるみんな。
かくして、ブブコさんはどっさりギョーザを焼いて、森のみんなで仲良く食べあったのであった。おいしい怒りのギョーザ、食べられてよかったね!

 

・・・フライパンが一番貧乏くじひいてないか?

フライパンが酷使されて怒ってるのに、誰も原因を考えずギョーザしか見えてないところがちょっと怖い。

 

インパクト大のタイトル

タイトルほどには内容はハチャメチャではありませんが、テンポよく進んでいくところはおもしろい。
これを読んだら、怒りのギョーザが食べたくなる……かも。

読み聞かせ、一人読みどちらにも適した絵本。
幼児から低学年向けでしょう。