あらすじ
みんな、チョコレートが好き?
僕は大好き!
チョコレートの良さっていうのは一口には語れないけど……
僕の好きなチョコレートは──
チョコレートが好きな男の子がチョコレートの良さについて話してくれる一冊です。
チョコレート大好きな子がチョコレートの良さをひたすら語る本
実は、チョコレートがあまり好きではない。
チョコ味したクッキーやチョコレートケーキなどは好きでよく食べるのだが、チョコレートそのものはあまり好きではない。せいぜい、一粒二粒が精一杯だ。
本書は、タイトルそのままの内容となっている。
チョコレート大好きな男の子が、チョコレートのおいしさや、チョコレートの種類、チョコレートの味を教えてくれる。
逆をいえば、それだけしかない内容ではある。
どのページも、チョコレートの良さを語るページとなっており、主人公の男の子は、真のチョコレート好きの見本のようである。
彼曰く、チョコレートは心がもやもやしたときや、傷ついたときに食べると格別においしいらしい。
チョコレートは、うまくいかなかったときや、悲しいときの心の慰めになるという。
確かに、いやなことや悲しいことがあったとき、好物を食べると心がほんの少し癒される。チョコレートが好きな人はそれがチョコレートなのだろう。
チョコレートにはさまざまな良い効果があるとどこかで読んだが、疲れたときには甘いもの、と相場が決まっているのは確かだ。
チョコレート好きの男の子は、チョコレートをプレゼントするとすてきだという。
チョコレートは、人間関係を円滑にするためにはうってつけだというわけである。まあ、別にチョコでなくてもキャンディーでもいいような気もするが、そこはチョコでなければ、タイトルの意味がなくなってしまう。
巻末の数ページを除き、すべてのページがチョコ好きの男の子による、怒濤のチョコレートプレゼンテーションとなっており、物語性は全くといっていいほどない。逆に、チョコ好きのかたは納得する内容になっているのではないだろうか……本書は、チョコレートが好きになろうかどうか迷っている人のための入門書……って、そんなものが必要なのかどうかは分からないが、まさにチョコプレゼンテーション本である。
巻末には、フェアトレードについて書かれており、こちらはだいぶかみ砕いた表現をしているとはいえ、まじめな説明文となっている。
チョコレートもまたフェアトレード対象商品となっており、チョコを買うときは、フェアトレードマークのついたものを買うようにしよう、という呼びかけが載っている。
フェアトレードについて知らせるための本という側面も
文章量、内容ともに幼児から低学年向けだが、フェアトレードのページはしっかりした文章で説明されており、高学年からが対象のようにも思える。
物語を期待していると肩すかしを食らうことになるのでご注意。
読み聞かせはできなくはないが、本当にその内容はチョコプレゼンである。