あらすじ
三つの話が収録されており、いずれも、「いぐら」という「いるか」と「もぐら」がこんがらがってできた生物が主役。
いぐらの進む道をたどっていき、ページをめくる前に分かれた道を選ばせ、次のページではその結果がわかるといった構造になっている。
読み聞かせする本というより、一緒に見て楽しむ絵本。
もちろん、一人読みにも向いている。
遊び心に彩られた新しい発想の絵本
こういう遊び心満載の絵本は大好きだ。
紙面のうえをちまちまと描かれているせりふや人物を眺めるのが大好きなのである。
本書は、そんな遊び心が満載でいて、かつ、分かれ道のどちらかを選ばせてそれぞれに山あり谷ありの冒険を満喫できるという結構な代物である。迷路のようには入り組んでおらず、簡単な分かれ道のどれかを選ばせてページをめくっていくという構造になっている。
こればかりは実際のものを見ないと非常に説明しづらいのだが、分かれ道を選んだ先がどうなっているのか、次のページに続く、といった、ページをめくるのも楽しい絵本であることは確かだ。
登場する生き物も個性的で、ふたつの生き物がこんがらがってできた影のような生き物をはじめ、ふつうの動物の姿をしたものも登場する。
本書は指でなぞってページをめくっていくといった体裁をとっていて、選んだ道ごとにいろんな難関が待ち受けているといった展開である。
完全に楽しむための絵本であり、読み聞かせには向いていない。一緒に見て楽しむ絵本である。
ついでにいうと、あまり物語性もない(一応、話はある)。
いやあ、本当にこの手の見ていて楽しい絵本は大好きだ。
この楽しさを、是非とも体験してほしい。
指で道をたどる本
指で道をたどらせる本はいくつかあるが、本書は分かりやすい上に、いろんなところにこまごまとせりふが書かれてあって、見ていて楽しい。
前述した通り、読み聞かせには向かないが、一緒に読むといいだろう。
また、一人読みにも適した一冊。ただし、内容は幼いため、幼児から低学年までが対象となるだろう。