あらすじ
ある暑い夏の午後、ありがすいかを見つけた。
大きな大きなすいか。
食べてみると、甘くておいしい。
さあ、巣に持って帰るぞ、と考えたものの……とても大きくて、みんなで力を合わせてもびくともしない。
そこでありたちは考えて……。
かわいらしいありたちの楽しげな生活がかいま見れる絵本
遊び心満載に細々と書き込みがある作品は大好きである。
何より見ていて楽しいし、新たな発見があっておもしろくなってくる。
この『ありとすいか』もそうだ。小さなありが、本当に細々と描かれている。一匹一匹に表情があって、かわいい。
ありが苦手な人の中には、たくさんいるところがダメだというのをよく聞くが、もしかしたらこの絵本もそれにあてはまるかもしれない。とにかく小さなありたちが細々と描かれているのだから。
大きなすいかと小さなあり。
この大きさの対比がおもしろく、切り分けたすいかとはいえ、ありたちにとってはちょっとした小山である。甘くておいしいすいかを、いかにして自分たちの巣に持ち帰るか。丸ごと運んで帰る?──むりむり、起きすぎるよ。じゃあどうする?──そうだ、これを使って……。
ありたちの奮闘ぶりがかわいらしい。
ありの巣の様子を見るのも楽しい。
水はこのように貯めているのか、とか、火はこうやって起こしているのか、とか、歯磨き粉で歯を磨くありなんかも見られる。いろんなところでありがいろんなことをして生活している。その姿を眺めるだけでわくわくした気分になってくる。
ありの巣がすいかでいっぱいになったら、今度は運びきれなかったぶんをみんなで食べておなかいっぱい。
半円になったすいかの皮を残しておしまい!かと思ったら、違った。
持って帰ったすいかの皮をどうしたのか……思わずほほえましくなる図が見られる。
絵を見て楽しむ種類の絵本
絵を見て楽しむ種類の絵本なので、複数に向けての読み聞かせには向かない。
どちらかというと幼児向けの絵本だろう。低学年でも楽しめるかと思う。
小さいありが結構うじゃうじゃいるので、苦手な人は要注意。
ありはかわいらしく描かれている。