『二分間の冒険』

  • 文:岡田淳
  • 237ページ
  • ISBN:978-4036352500

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価格情報更新時間:2020/07/04 02:37(更新

あらすじ

六年生の悟はクラスのみんなと一緒に、明日の映画会のため、体育館で準備作業をしていた。床にシートを敷いていた悟たちは、ふと、とげぬきが落ちていることに気がついた。

学校でとげぬきといえば、保健室のものかもしれない。
そう考えた悟は、シート敷きの作業をさぼる口実に、とげぬきを保健室に届けてくると言って、体育館を出た。

保健室に向かう途中で、悟は黒猫と出会う。
黒猫は悟の頭の中に直接語りかけ、持っているとげぬきで刺さったとげを抜いてほしいと頼んでくる。とげは、目に見えないとげだったが、黒猫に急かされ、仕方なく、悟はとげを抜くふりをしてあげた。すると、黒猫は、とげを抜いてくれたお礼に、悟の願い事を何でもかなえてやろうと言い出す。

悟は一生懸命、願い事を考えるが、つい、言葉のあやで「(考える)時間がほしい」と言ってしまい、黒猫はそれを願い事と受け取り、悟に時間をくれた。

気がつくと、悟は深い森の中にいた。黒猫のダレカの姿はどこにも見えない。ダレカは声だけで、悟が「時間がほしい」と言ったから、その願いをかなえたのだと説明した。悟が元の世界に戻りたいと訴えると、ダレカは隠れている自分を悟が見つけることができたら、元の世界に戻してやると言い出した。

黒猫の出したヒントは三つ。
ひとつ。ダレカはすでに猫の姿ではなく、今の悟からは見えない姿をしている。
ふたつ。ダレカは何かの姿をしている。
みっつ。ダレカはこの世界で一番確かなものの姿をしている。

ヒントを出し終わったダレカはどこかに行ってしまい、悟は一人、暗い森に取り残されてしまった。仕方なく、悟はダレカを探すことにする。

 

夜の森をしばらく行くと、なにやらたいまつを灯して相談する少年少女と遭遇する。見ると、不思議なことにその少年少女たちは、みんな悟の知っているクラスメイトたちにそっくりだった。
話を聞くところによると、彼らは誰が『竜の館』に行くのか決めかねているようだ。男女二人で行かなくてはならないらしいが、女性は決まっているものの、男性のほうは決まっていないらしい。

話の成り行きで、『竜の館』に行くことになった悟。
よくよく事情を聞いてみれば、なんと『竜の館』には、生贄になりに行くのだという……

 

たった二分間の間に起こった、異世界トリップ青春冒険物語

時間というのは不思議なものである。あっという間に過ぎ去る時間もあれば、のろのろとようやく過ぎていく時間もある。楽しい時間なら速く過ぎ去り、つまらない時間はなかなか終わらないということである。休み時間はあっという間に過ぎ去るのに、授業や仕事の時間はなかなか過ぎ去らない……といったあれである。

主人公の悟は、学校で不思議な黒猫のダレカと出会い、ひょんなことから不思議な世界に導かれてしまう。元の世界に戻るには、何かになったダレカを捕まえなければならない、という。何になったかのヒントは“たしかなもの”。抽象的すぎて、主人公の悟も答えがわからないし読者の私もわからない。

導かれてやってきた世界は、竜が支配する世界だった。物語は大きく展開し、悟はファンタジーの王道よろしく、竜を退治することになる。現実世界にいたクラスメイトのかおりとそっくりな、「かおり」と一緒に……。

『二分間の冒険』は、ある種の王道な異世界トリップものとファンタジーの王道ドラゴン退治物語の要素を擁しながら、その根底では思春期の少年の微妙な心の機微を描いている。

その最たるものは、旅の間で少しずつ変わっていく、かおりとの関係だろう。ともすれば気恥ずかしくなりそうなほどに細やかに、もどかしいまでにまっすぐに描かれている。悟とかおりの関係を見ていて、気恥ずかしくも甘酸っぱい気持ちになるのは、私がおとなになってしまったからだろうか。

だが、誰かを大切に思うということは、人を愛するということの最初の一歩には違いない。そんな当然なことを、物語の随所随所にちりばめ、忍ばせてあるのだ。そんなこっそりとした表現であるから、主人公の悟も好きだとか嫌いだとか、はっきりと自覚はしない。言葉に当てはめる以前の、その感情の発露こそが少年らしく初々しい。

とはいっても、『二分間の冒険』は単なる冒険ものに恋愛要素をからめただけの単純なものではない。黒猫ダレカの提示した、“たしかなもの”というキーワードである。

結局、“たしかなもの”とは、人によって変わってしまう。それに気がつき答えを知ったとき、悟は自分への自信、自分の思いに自信を得ることができた。
見た目は変わらないけれど、たった二分間の冒険で、悟は生きていくのにあたって、大切な剣を得ることができたのだ。選ばれたものだけが持つことのできる竜を倒す剣は、誰もが持つことができるが、誰かにお膳立てされて手に入れるものではなかった。
思えば、あの世界の「竜」とは、これからの人生に待ち受ける様々な困難、そして疑心暗鬼や自己否定の念などの立ちはだかる問題を表しているのではないか。「竜」を打ち倒した悟は、強く成長した、と見ることができる。

それにしても、あれだけの冒険が、たった二分間のことだったとは、まるで夢のようだ。冒険を終えたあと、ダレカがしゃべらなければ、夢だったと考えていたところだったろう。でも、ダレカは確かにいた。そうだ。不思議な世界は、いつでもすぐそばにある。成長するにつれ、忘れてしまったり、なくしてしまったり、見えなくなってしまったりしてしまうけれど。

あの世界はダレカと悟だけの世界だった──そう記すと、一抹の寂しさが募る。あんなにはっきりと存在感を放っていたあの世界のみんなが、ダレカと悟の中だけに存在しているとは。だが、考え方を変えれば、また違う。あの世界のみんなは、悟の中で生き続けているとしたら。

「竜」をうちたおすことに成功した悟はしっかりと成長していくだろう。希望を思わせるさわやかなエンディングもまた、ファンタジーの王道だろう。

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