『という、はなし』

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価格情報更新時間:2017/11/20 12:35(更新

あらすじ

“本を読むということ”をテーマにしたショートエピソード集。全部で24篇収録されている。そのすべての話に動物をメインにした「読書の情景」を表現した一枚のカラー挿し絵があり、文章量はさほど多くない。物語集というよりは、エッセイ集風の側面も見られる。
不思議な話から、ユーモアのある話、何となく深い意味がありそうななさそうな話まで、雰囲気は多岐にわたる。

何かの息抜きに読むのにちょうど良さそうな、掌編集。

 

“本を読むこと”をメインに据えた、エピソード集。

一話ごとにカラーの挿し絵がある、エッセイ集にも近い形態を持った一冊。この挿し絵というのが、「読書の情景」をテーマに描かれた動物たち。必要以上に美化せず、あざとさもなく、それでいてどこか愛嬌があって好ましい。主線の太いはっきりした色使いの絵柄は、個人的も好きだ。

おもしろいのは、この作品が、挿し絵先行で書かれたものであるということである。たいていは、文章が先で後から挿し絵は描かれる。これで文章に沿った挿し絵ができあがるという次第である。だがこの『という、はなし』は一風変わっていて、あとがきによれば、一週間かそこら前に、イラスト担当のフジモトマサル氏から「あとはよろしく」とイラストだけが届き、文章担当の吉田篤弘氏がイラストを見て、文章を作っていくという形態をとったそうである。
つまり、この本におさめられた短い話のすべては、一枚のイラストを見て、想像力や推理力を膨らませて書かれたものにほかならない。かなり伸吟して書いたそうだ。

これを、「なぞなぞ」に対する「回答」としているが、なるほど、どれも切り込み方がおもしろい。本文がショートショート並の長さしかないので、細々としたキャラクター設定や物語展開を盛り込む余裕はない。そのため、自然と、情景を切り取った作品になる。その着眼点や、情景の切り取り方がおしゃれで新鮮だ。こういった肩の力を抜いて読めるさっぱりした味の一冊は、日々の生活の中で貴重な存在だ。ちょっとしたスキマ時間に一話を読み終えることができる。

登場する人物たちは(イラストはみんな動物の姿をしているが)、みな、本を読んでいる。屋内、屋外、車内、さまざまなところで、一心に目を落として読んでいる。みんな、そんなに一生懸命、何の本を読んでいるのだろう? 意外なことに、読んでいる本の内容に触れる本文は少ない。
添えられた短い話はどれも個性的だ。風刺が効いていたり、ユーモアに富んでいたり、耳が痛いなあと思う話もあれば、なるほどと納得するものもある。難解な言葉は少なく、するすると文章が頭に入ってくるから、つい時間の許す限り、次の話次の話と読んでいってしまう。つまり要するに、おもしろい、ということなのだろう。次は一体、どんなイラストが現れて、どんな話が書かれているのか。気になって仕方がない。

 

私の気に入りは、「待ち時間」と「話の行き先」、「希有な才能」、「時間を買う」、「恋と発見」。

「待ち時間」は確かにもう死に絶えそうになっているのかもしれない。『不思議の国のアリス』では、切り刻まれて怒っていたか。時計の次に時間の敵として現れたのは、携帯端末なのかもしれないなあ、など思う。

「話の行き先」は、それまで、“本を読む”ということをとても楽しいかけがえのない行為と描かれがちだったが、ここにきて、話の続きが気になるのは本だけではない、と落としどころをつけたのが意外だった。無意識に、この本自体読書好きのための本だと思っていたからかもしれない。

「希有な才能」は、まあ、私も似たようなことをすることがある。電車内で読んでいた本がちょうどいいところで、帰り道につく前に、降りた駅のベンチで読破。……まだそれはいいほうで、本を読んでいたせいで乗り過ごしたことも多々ある。だから、私は行きの電車の中では本を読まない。読むのは被害の少なくて済む帰りの電車の中だ。

「時間を買う」を読むと、私もキヨスクやネット通販などで“時間”を売っていないものかと思う。“時間”だけではなく、夢とか希望とか安心とか。この話は締めもおもしろい。

「恋と発見」はこの本の最後に収録されるにふさわしい一篇だ。本は死なない。本にあふれる現代で、手に取ろうかと思える一冊に出会えることは、「発見」だ。この「発見」は「恋」とつながるというのだが、なるほどひねった考え方だ。いいねえ、私も古書店主になりたい。

 

この本は、“本を読む”ということをメインに据えた、ショートストーリー集だ。物語性はあまりないが、読んでいて「おっ」と心動かされる一コマに巡り会える。

最近は“読書離れが……”と嘆かれる風潮なので、そんなに本を読む人が減っているのかあ、などと思っていたら、満員電車の中でおしゃれなブックカバーをかけて本を読んでいる人がわりといて、まだまだ本は現役だな、とおもったりもした。熱心にスマホやタブレットを見ている人だって、電子書籍を読んでいるのかもしれないし(私は蔵書置き場所の問題でできれば電子書籍に移行していきたい派だ)。読書の光景はまだまだよそで見ることができる。安心した。

本を読むことが好きな人には、息抜きにおすすめしたい一冊だ。

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