かわいらしいものがたくさんつまった、カップケーキはひとついかが?
あらすじ
かえでの森に囲まれた小さな通り、メープル通り。
そこに一軒の小さなお菓子屋さんがオープンしました。店長は小学生のルルとララのふたりです。
ところが、せっかくオープンしたのに、お客さんがやってきません。そこへ、お隣にあるパン屋さんを営むシュガーおばさんがやってきました。
シュガーおばさんは、お客さんが来なくて落ち込んでいる二人に、お菓子を作るいいにおいでお店がオープンしたことをみんなに知らせましょうと提案してくれます。賛成するふたり。
シュガーおばさんは、ふたりにカップケーキの作り方を教えてくれました。
おいしそうに焼きあがったカップケーキ。とてもいいにおいがしています。果たして、このにおいで、お客さんはやってきてくれるのでしょうか……?
かわいらしいイラストと甘い香りの漂ってきそうなお話
女の子が二人、ねずみが一匹、おいしそうなカップケーキの絵が表紙を飾る、“かわいらしい”を詰め込んだかのような一冊。女の子の好みそうな色使いとかわいい絵柄のイラスト。優しい色使いがさらにマッチ。
ページを開くと、ほとんどがカラーページで、おいしそうなお菓子の絵がいっぱい。お菓子好きなかわいいもの好きな子にはたまらない本になるでしょう。
「ルルとララシリーズ」一作目にあたる『ルルとララのカップケーキ』は、どこのページを開いても“かわいい”が詰まった本でした。
お菓子屋さんをオープンした小学生のルルとララ。二人ともかわいらしい女の子だけど、ちょっと心配性なルルと、楽観的なララという性格の違いが随所に表れていておもしろい。私は結構心配性なところがあるから、ルルの気持ちがわかりながらも、楽観的なララの性格がうらやましかったりして……。
ストーリーもかわいらしく、森のみんなにカップケーキをごちそうして終わりかと思えば、最後の最後にスペシャルカップケーキのご登場でおなかがいっぱい。おいしいお菓子は仲良く食べればもっとおいしいですね。
読み終わると、カップケーキが食べたく……作りたくなることうけあいです。
お菓子づくりに興味が沸いてくるルルとララシリーズ
優しい色使いやふんわりとした絵柄は、見ていてとても乙女心がくすぐられます。甘いものが大好きな子にはお気に入りの一冊になるでしょう。漢字はほとんどなく、出てきたとしてもふりがなが打ってあるので、小学校低学年でも読めるようになっています。
文字習いたての一年生には難しいかもしれませんが、ふんだんに描かれたかわいらしい挿し絵は眺めるだけでも楽しめます。
お話はとても童話的で、とても優しい気持ちになれる世界観です。
内容も装丁も低学年向けでしょう。お菓子づくりへの興味を持つきっかけになるかもしれません。