絵本の森

『14ひきのおつきみ』──お月さまに感謝

14ひき大家族でお月見!

 

みんなでお月見の準備をする大家族

今日はお月見の日。
14ひきの家族もみんなでお月見します。

14ひきシリーズの「おつきみ」。
今回も繊細で大胆な構図で、お月見の準備をする様子が見られます。

色の変わりかけた葉っぱや、どんぐり、落ち葉などが季節感をかもし出し、四季を感じるに最高の一冊だなと思いました。

仲のよい大家族、見ていてほほえましくもうらやましく思えます。

 

日が沈みはじめた頃からの色彩が実にきれい。
燃える夕焼けは画面にないのに、空も木々も燃えているのが分かる。

そして夜になって、何かが始まる予感。
このざわざわした感覚、好きです。

 

──ほら、ついに出てきた。
圧倒的に大きな、丸いお月さま。
14ひきの大家族と一緒に見とれるほどに、黄色く優しく輝くお月さま。

この場面は息を呑むほど、美しい

おとなねずみたちは手を合わせているけど、手を合わせたくなる気持ちが分かる。
自然の素晴らしさや、圧倒的存在感を感じたとき、その自分たちよりはるかに大きなものに対する敬う気持ちが湧いてくる。

この敬う気持ちっていうのを忘れていたな、と。
この本を読んで思いました。

 

四季を感じるということ

四季を感じるには最適な14ひきシリーズ。
四季折々の行事を繊細なタッチで描き、大人気のシリーズでもあります。

 

日本には四季があります。
これって日本に住んでいたら当然のことのように思えるけど、実は素敵でかけがえのないことだと思います。
春の桜、夏の入道雲、秋の紅葉、冬の雪。

でも忙しかったり、ほかのことに気を取られていたら、つい四季を感じるということに鈍感になりがち。
でも、できることなら、季節の美しさを感じて生きたいものですよね。

 

14ひきシリーズを読んだら、つい自分の近くにある自然に目を向けてしまうのではないでしょうか。
今、自然はどんな顔してたっけ、と。