絵本の森

『バスがきた』──いろんなひとがおりた

おや、バスがきましたよ。どんな人が降りていくのでしょうか。

 

やわらかい絵柄と、ノスタルジックな色使い

バスがバス停にやってきて、バスに乗っていた人が降りる。

ただそれだけの内容なんです。でも、それが心地よい予定調和なんです。

白い丸っこいバスには、いろんな人が乗ってたんですね。
それぞれの目的地があって、それぞれの目的があって。

白い空、ノスタルジックな色彩の山、川、海、家、ビル。故障した車が道端に止まっていたりして。
心地よい淡々とした風景。

バスはどこに向かうのでしょう。最後まで乗っていてみましょうか。

 

随所に見られるいろんなもの

子どもと一緒に読んだり、おとなの癒し系絵本として読むのも素敵なこの一冊。

のんのんのんと進むバスと一緒に、ゆっくりとした時間をすごしましょう。

ページページに、本筋以外にいろんな人やいろんなものが描かれています。

犬、ねこ、荷物を積んだトラック、屋上にいる人、遊園地のピエロ。

この後どうするのかな、これから何をするのかなと思いをはせるのも一興。

本の中では急いで降りる人もいるけど、読んでいるとなんだか心がのんびりします。
疲れた日々にほっと一息、そんな絵本サプリです

 

絵本読み始めの子や、読み聞かせに

文字数も少なく、見開きごとに進むので、初めて本を読む子にもおすすめできます。

もちろん、読み聞かせにも向いていますが、小学校低学年頃になると、単調なのと大きな展開がないので、中には興味を持たない子が出てくるかもしれません。