絵本の森

クルマリ森のパン屋さんではね、いろんなパンがあるんだよ──『ねこのパンヤ』

ねこのパンヤはパン職人。
クルマリ森のみんなにおいしいパンを食べてもらうため、せっせとおいしいパンを作っています。
こんがりおいしいパンの香りが漂ってくるような、優しい色合いの絵本。かわいい動物たちも出てきますよ。

三つのおはなしが入ったパン好きにはたまらないかわいい絵本

こんがり焼けたパンの色をしたパンヤというねこが主人公のお話です。パンヤはパン職人。パン屋さんのパンヤ。パンヤのパンヤ。安直だけど可愛いからいい!

イラストは丁寧に細部まで細かく描かれていて、見ているだけでも心が暖かくなる可愛い絵柄です。グッズ展開もした可愛さ折り紙つきのこのパンヤくん、クルマリ森のみんなにおいしいパンを食べてもらうため、今日もせっせとパンを作ります。

この本には、パンヤくんの忙しい一日の話と、パンヤくんの師匠であるベーグルさんの話、仲のいい友達三人でお茶会を企画し、森のみんなを招待する話の三つのお話が収録されています。
長さ的には、一日の話とお茶会の話がメイン。どれも可愛いイラストを堪能できるお話になっています。

パンヤくんの作るパンがまたとってもおいしそうで、本当に食べてみたくなります。
ねこパン、にくきゅーパン、こねこねパン、コーヒーあじのカップケーキなどなど……一度食べてみたくなりますね! 裏表紙の見返しにおいしそうに並べられています。

繊細なイラストは癒し効果絶大。
時々、ラスクやパングラタンのレシピが載っていたり、眺めているだけで心が癒されてわくわくしてくる感じ。私もクルマリ森で暮らしたい!

 

なんといってもパン!

なんといってもパンのイラストが素晴らしい。
焼きたてのパン香りが漂ってきそうです。キツネ色のこんがり焼けたこねこねパンを両手で持って、二つにゆっくりと割ったなら、ふわふわした白い生地からほんわりと湯気が立ち昇るんです……そこにバターを乗っけて、とけたバターを落とさないようにぱくりっと一口! 外はぱりぱり、中はもっちり。口の中いっぱいにバターの風味と小麦の味が広がって……ああいくらでも食べられる!

 

おいしそうなパンが出てくる絵本の中でも、屈指のおいしそうなパンが出てくる絵本。なんと言っても、師匠に任されたお店を頑張って盛り上げていかなくちゃいけないですもんね、パンヤくん?

 

絵はかわいいし、お話も分かりやすいけど読み聞かせには不向き

お話の途中でレシピのページが出てきたり、話の本筋以外の部分にも台詞や擬音語が多く出てくるので、読み聞かせには難しいです。字は本のサイズのわりにやや小さめですが、絵がとてもかわいく親しみやすいので、小学校低学年でもかわいらしい動物やパン好きな子なら気に入るかも。おとなが見ても癒される一冊。

 

キャラクターがやたらと可愛くて完成されているのは、あのリラックマやすみっこぐらしなどのキャラクターファンシーグッズを展開しているサンエックス在籍のキャラクターだからなんですね。

 

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