冬も近いある夜のこと。
ふと目を覚ましたオポッサムは、空にまんまるなお月さまが浮かんでいることに気がつきました。
あんまり素敵な月夜なので、みんなで冬眠前にお月見したいと思いつきます。
早速、友達を誘いに行くのですが……
いろんな森の仲間に声を掛けたけれど……
お月見しようよ! と誘うものの、みんなあれこれ理由があって、断られてしまいます。
オポッサム、がっかり。
しょんぼりとひとり、パーティ用の帽子を被って、大きなまんまるお月さまを見上げます。
「こんな すてきな よるに どうして はたらいたり ねむったり できるんだろう」
そのとき、空にぽっかり浮かんだお月さまがひときわ明るく輝いて、あたりを照らし出しました──
素敵なものを共有することのかけがえのなさ
美しいものをみんなで共有し、同じ時間をすごすことのかけがえのなさ。冬眠前の大切なひととき、きっと思い出になりましたよね。
お月さまは、ひとりでしょんぼりしていたオポッサムのために力を貸してくれたのかしら。それとも、元々、そんな素敵な夜だったのかしら。
飲めや歌えやの楽しい宴に興じる動物たちの姿が、生き生きと描かれています。みんなの中で大切な思い出になったのは確かでしょう。宴が終わって、みんなが帰るのを見送るオポッサムの少し疲れているけど嬉しそうな顔! とっても楽しい時間をすごしたのが伝わってきます。
美しいものをめでる心もまた、かけがえのないもの。冬眠から起きてきても、この素敵な一夜の思い出を忘れないでね、と思わずにいられない一冊です。
オポッサム?
オポッサムが出てくる作品は珍しいなと調べてみましたら、ねずみに似た有袋類の動物でした。有袋類といえば、コアラやカンガルーなどもそうですね。オポッサムは、赤ちゃんを自分の袋の中である程度まで育てて、ある程度大きくなったら背中で育てるのだとか。それでコモリネズミという別名があるそうです。
オポッサムは死んだふりをする動物としても有名。
検索してみたら、可愛い写真がたくさん出てきました。オポッサム可愛い。
オポッサム こんなん