中を想像してみましょう。身近なものの中を想像してみましょう。
想像力を刺激する、そんな本。
身近なものの中身は
例えば椅子の中は?
例えば鉛筆の中は?
例えばボールペンの中は?
例えばぶたの貯金箱の中は?
なんとなく想像できるものもあれば、「んん?」と唸ってしまうものもありますね。
この本は、身近なものをX線写真を使って透かして見ることのできる本なんです。
普通に撮影したモノの写真のページから、一枚ページをめくると、同じものを同じように撮影したX写真が現れます。ページをめくるのが楽しくなります。
椅子に使われた釘の様子、貯金箱の中のコイン……。X写真では丸分かりです。
シンプルに想像力を働かせて楽しむことのできるこの一冊、文字数も少なく、小学校低学年の知的好奇心旺盛な子にはたまらない一冊かも。
作者の佐藤雅彦氏って?
これは面白い本だなと思って作者について調べてみれば、なんと、NHK教育テレビ「ピタゴラスイッチ」を企画・監修された方でした。
「ピタゴラスイッチ」、ご存知のかたはご存知だと思いますが、子ども心をくすぐる装置が出てくる番組です。子どもの想像力をうまくかきたてる、この『中をそうぞうしてみよ』が生まれたのも、なんとなく分かりますね。
タイトルも面白い。『中をそうぞうしてみよ』。
作者を拝見するまでは、海外の絵本なのかと思ってました。「そうぞうしてみなさい」ではなくて、「そうぞうしてみよう」でもなくて、「そうぞうしてみよ」。
まるで重要な課題の通達のようで、面白いタイトルだと思います。
想像することが好きな子は楽しいかも
写真が主体なので、図鑑が好きな子や知的好奇心の強い子は楽しんで見てくれるかも。逆に、ストーリーのあるものが好きな子にはなじみにくいようです。
文章も短いので、集中力の続きにくい子にも読み聞かせ可能です。
逆に、物語性を求めるのなら、この本は不向きです。